肉と人をつなぐ「月 (にくづき)」開店のご案内

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中秋の名月が近づく今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。

さて、来たる2015年10月15日(木)、京都 中勢以のお肉を召し上がっていただける

お肉料理屋「京都 中勢以 月 (にくづき)」を開店いたします。

 

今年3月のフルリニューアルに続き、新しいお店を開店させる事が出来ますのも、

ひとえに皆様のご愛顧によるものと深く感謝申し上げます。

 

場所は、京都東山の古川町商店街と白川の交わるところ。東大路の知恩院前交差点を東に入り、一筋目を少し上がった辺りです。

 

そこは、京都 中勢以の仕事を少し進めたお店。

良い肉を良い状態に、そして、良い具合で召し上がっていただく。そんなお店です。

良い肉を選ぶ事、その肉を良い状態にする事は、これまで我々が続けてきた事です。続けてきた中で良い肉について、そして良い状態について、今の京都 中勢以としての答えが見つかりつつある中、お肉を良い具合で召し上がっていただきたいという思いを、今回の「月 (にくづき)」という形にしました。

 

「月 (にくづき)」では、良い具合でお肉を召し上がっていただく為、味付け、火入れ、他の食材との組み合わせ等に対して、毎日、お肉をさわっているからこそできるお肉料理をご用意いたします。

 

お料理の最初の主役は、ハンバーグステーキです。

その他、現在、メニュー開発中ですが、煮物、揚げ物、焼き物、それぞれのお肉料理をお召し上がりいただきたいと考えています。

 

お肉は、京都 中勢以の熟成庫から、その日の肉の状態を見て切り出し、その肉の個体差や、その状態の差に合わせて調理いたします。その為、お料理によっては、毎日少しずつお肉の味わいが異なります。

 

これまで、但馬牛や枝肉熟成といった言葉から、京都 中勢以は、頑(かたく)なで難しい店、という印象がなきにしもあらず。「月 (にくづき)」では、ここちよく、取っ付きやすいお店を目指しております。

 

さらに、お肉料理というと「ガッツリ+重たい」という印象が先行する場合がありますが、「しっかり+かろやか」なお肉料理を目指しております。

 

月は、太陽と地球の位置関係で、満ち欠けしながら、刻々とその姿を変えますが、その存在は常にそこにある。そんな月に想いを重ねつつ、我々も皆さまとお肉を新しくつなぐお役に立てましたら幸いです。

 

どうぞ、よろしくお願いいたします。

 

京都 中勢以

加藤 謙一

 

京都 中勢以 月 (にくづき)

住所:京都市東山区稲荷町北組573

電話:現在申請中

京都 中勢以の使い方 2


今日のお肉を決めるお手伝い

 

中勢以内観01

 

ご来店いただけましたら、「7つ」のステップでご案内いたします。


Step6+1

 

1. お伺い(ご用途やご気分、お好み、重量など)

2. お肉のご紹介

3. お肉の切り出し

4. お会計

5. お包み(ご自宅用、ご贈答用、保冷剤など)

6. 調理方法のご案内

7.  お召し上がり



1. お伺い(ご用途やご気分、お好み、重量など)

 

本日のお肉のご用途や気分をお伝え下さい。
ご用途であれば、焼肉、すき焼き、しゃぶしゃぶ、ステーキ、野菜炒め、シチュー、揚げ物、煮物、汁物、等々。お肉への気分であれば、かたまりのお肉を食べたいか、家族で鍋を囲みたいか、ちょっとした料理の一品として使いたいか、等。

続いて、お好みと必要な重量をお伺いさせていただきます。(何となくのイメージで結構です。)噛み締めるほどに味わい深いお肉か、やわらかいお肉か。赤身か霜降りか等、お料理に合わせてご案内いたします。重量については、年齢や他の食材の量等についてお伺いする中で適切な量をご提案させていただきます。


2. お肉のご紹介

お伺いしたご用途、ご気分、お好み、重量に合わせて、ご用意可能な切り出す手前のお肉、いくつかの部位を目の前でご紹介いたします。

その際には、お肉の特長に合わせて、それぞれの部位や組み合わせた時の価格をご案内いたします。ご予算もお肉を絞る一つの要素となりますので、具体的に教えていただけると助かります。重量に関しましても、数字だけでは分かりづらいかと思いますので、実際にお肉のボリューム感も合わせてご確認いただきます。
一つの部位に絞るのではなく、幾つかの部位を取り混ぜさせていただく事をオススメしております。食感や味わいが変わる事によって、食事の最後まで心地よくお楽しみいただけるのではと考えております。

ご贈答用の場合、先方様が最も喜ばれる商品をご用意する為、先方様のお好みやご用途等を一緒に考えさせていただきます。


3. お肉の切り出し

 

お客様の目の前で、お肉を切り出し、ご用意いたします。それぞれの厚みやカット面の大きさなどについて、好みのお伺いや部位ごとのオススメをお伝えし、スライスもしくはカットを行います。その様子を見ていただきながら、作業の途中であっても、霜降り具合や重量等、気になる事があれば、お声掛けください。


4. お会計

仕上がりました商品をご確認いただき、お会計へとお進みいただきます。領収書等が必要であれば、お伝えください。尚、大変恐縮ではございますが、お支払いは現金のみのお取り扱いとさせて頂いております。


5. お包み
(ご自宅用、ご贈答用、保冷剤など)

 

お持ち歩きのお時間によっては、保冷剤や保冷箱(有料)をご用意させていただきます。こちらからも、お伺いをするようにしておりますが、特に必要な場合は、先にお伝えいただければと存じます。


6. 調理方法のご案内

その日お買い物いただきました商品を、より楽しく、お好みの状態で、おいしく召し上がっていただけるよう、必要に応じて、内容がわかるメモや調理方法の簡単なアドバイス等をさせていただく場合がございます。

ただし、この点に関しましては、調理法を押し付けるような事、また、お肉に対して難しく考えてしまわれる事の無いよう細心の注意を心がけております。敢えて強くは、お伝えしない事もございます。スタッフ、特に青い服を着たスタッフは、お肉の調理に対してお伝えした事が沢山あり、実は、伝えたくてウズウズしております(!)。お気軽にお尋ねいただければ幸いです。


7. お召し上がり

 

たのしくお召し上がりください!

 


いかがでしょうか?

 

お店に入った瞬間から、お肉を食べ終える瞬間までをご満足いただきたい。ご満足に浸っていただく事が「お肉はおいしい」に繋がると考えております。
ぜひ一度、京都 中勢以にお越しいただければと存じます。

 

今回は、簡単な流れのみです。それぞれの詳細を、また別のコラムでお話したいと思います。

京都 中勢以の使い方 1

 

ショーケースのないお肉屋さん

京都中勢以外観

 

京都 中勢以を訪れた瞬間、一見、どの様にお肉を購入すれば良いかわからない方も少なくないと思います。

 

そこで本コラムより数回に渡り、なぜ、そのようなお店にしたのか、そして、そのようなお店をどのように使っていただきたいか、お話したいと思います。

今回の京都 中勢以フルリニューアルでは、日本の肉屋として、京都 中勢以が伝えたい事を、伝えられる店づくりができるよう店舗やWebpage等を新たにデザインしました。(注1)

 

京都 中勢以が伝えたい事は、農家さんや牛、肉屋や肉の事等いろいろありますが、最も伝えたい事の1つは「お肉はおいしい」という事です。

私たちは、お肉の買い手であり、作り手であり、そして、売り手です。それぞれの立場において、おいしいお肉とは何かを考え、おいしいお肉をつくる仕事しなければならないと考えています。

 

Webpageの設計では、様々な言葉を加え、より微細に渡って伝えたい事を調和させ、文章として散りばめました。また、視覚からより素直に伝わるよう写真やその配置で表現しています。

 

店舗の設計では、売り手として、その肉のおいしさを押し付ける事なく素直に感じていただけるような設計を心がけました。(注2)

 

お肉と一言で言っても、牛や豚の個体、部位、熟成具合、そして、カットの方法により、それぞれ味が異なります。また、お客様の好み、調理方法、そして召し上がられるシチュエーション等により、求められるお肉もそれぞれ異なります。そのような、多様なお肉とお客様の引き合わせこそが、京都 中勢以が肉屋として「お肉はおいしい」と感じていただく為に最も大切な仕事である、という考えから、お一人お一人のその時その時に合ったお肉をご用意できるよう、お客様との対話を最も大切にした店舗をつくりました。

 

結果として、対話の物理的そして精神的な壁となるショーケースは排除し、お客様との間には、作業を行うための腰の高さ程度のカウンターのみが存在します。

 

そんな、カウンターだけのお店でどのようにお買い物をするか。次回は、具体的なお買い物の流れをお話したいと思います。

 


 

注1.ここで、「店づくりをした」と言い切らないのは、店をつくるのは、瞬間のデザインだけでなく、そこで仕事をする店員、お買い物をされるお客様、そして、流れる時間、それらによって店はつくられていくと考えているからです。

 

注2.買い手、つくり手についてもコラムの中でお話したいと思います。

京都 中勢以 フルリニューアルオープンの御礼

1981-2015

 

2015年3月18日、京都 中勢以が新しい一歩を踏み出しました。

 

オープン初日には、多くの方々から、励ましのお言葉やお祝いのお花、お酒などの品々を頂戴いたしました。誠にありがとうございます。

 

1981年の創業以来、34年間積み重ねてきましたお客様と農家さんとの信頼関係を土台とした、一歩です。

 

お肉のショーケースを置かず、すべてのお客様にご用を伺い、その日、その時のお求めに合わせてお肉を見立て、ご用意させていただく。

 

34年前、肉を食べるお客様の為に良い牛を良い肉として提供する事を目的として、牛を育てる農家さんの為、そして自分たちが気持ちよく生きていく為に創業いたしました。その目的を果たす為、牛一頭を買付け、その日の販売に合わせて枝肉を裁き、切り出し、売るという方法を選択しました。その中で、当時から精肉は寝かせた方が良い状態になる事は、食肉業界では、割と知られておりました。京都 中勢以においても骨付きのまま、2~4週間ほど寝かせて販売しておりました。それが、創業以来、熟成を行っていると言われる所以です。

 

創業から15年後の1996年、販売量の増加に合わせ、寝かせるというよりも、きっちりと熟成を施した方が良いという考えから、第一熟成庫を建設。2008年には、より多くの枝肉を熟成させる為に第二熟成庫を建設。

 

また、2004年からは、「安心で旨くなければ」をモットーとして、農家さんの事や熟成を中心とした肉の事、自分たちの取り組んできた事や、現在取り組んでいる事をご覧いただきたいという思いや、理解していただきたいという考えをそのまま言葉や文字、形にしてきました。

 

そして、2015年。これまで積み上げてきた中から、無くても良いのではないかという物や言葉をそぎ落とした形として、京都 中勢以として、店舗を改装し、ウェブサイトを新設いたしました。

 

店舗では、これまで通り、お客様の為、農家さんの為、そして自分たちの生きる為、それに加えて、これからの日本の畜産業の為に、未来に繋がる仕事の出来る場所を作りました。未来に繋げるその方法は、また次のコラムの中でお伝えしたいと思います。

 

このコラムでは、京都 中勢以の考え方はもちろん、季節のご案内を中心に、今回のウェブサイト作成の過程でそぎ落とした言葉を補足する意味合いも込めて、少しずつお伝えしていきたいと思います。

 

すぐに知りたい、もっと深く知りたいという事がございましたら、お電話やメールではお伝えが難しい事が多い為、新しい店舗にぜひお越しいただき、お伺いいただければと存じます。

 

この度、フルリニューアルオープンを行う事ができました事は、ひとえにお客様と農家さん、そして、その他、様々な形で京都 中勢以を支えてくださった方々のおかげでございます。心から御礼申し上げます。

 

新しい京都 中勢以が、「牛・肉・人のつなぎ手」として、これまでの「和」をますます深め、新しい「和」がつながり広がる事を心から願いつつ、はじめのコラムの結びとさせていただきます。

京都 中勢以
加藤 謙一

 

京都 中勢以 開店のお知らせ

 

謹啓 向春の候、

ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

 

さて、京都 中勢以の新店舗が、

本日三月一八日(水)、開店の運びとなります。

これもひとえに皆様のご愛顧によるものと深く感謝申し上げます。

京都 中勢以は、今一度「日本の肉屋」の仕事に徹する所存でございます。

今後とも倍旧のご指導ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

まずは、略儀ながらご挨拶申し上げます。

 

敬白

二〇一五年三月吉日

 

京都 中勢以

加藤 中謙

謙一

社員一同