京都 中勢以の使い方 2


今日のお肉を決めるお手伝い

 

中勢以内観01

 

ご来店いただけましたら、「7つ」のステップでご案内いたします。


Step6+1

 

1. お伺い(ご用途やご気分、お好み、重量など)

2. お肉のご紹介

3. お肉の切り出し

4. お会計

5. お包み(ご自宅用、ご贈答用、保冷剤など)

6. 調理方法のご案内

7.  お召し上がり



1. お伺い(ご用途やご気分、お好み、重量など)

 

本日のお肉のご用途や気分をお伝え下さい。
ご用途であれば、焼肉、すき焼き、しゃぶしゃぶ、ステーキ、野菜炒め、シチュー、揚げ物、煮物、汁物、等々。お肉への気分であれば、かたまりのお肉を食べたいか、家族で鍋を囲みたいか、ちょっとした料理の一品として使いたいか、等。

続いて、お好みと必要な重量をお伺いさせていただきます。(何となくのイメージで結構です。)噛み締めるほどに味わい深いお肉か、やわらかいお肉か。赤身か霜降りか等、お料理に合わせてご案内いたします。重量については、年齢や他の食材の量等についてお伺いする中で適切な量をご提案させていただきます。


2. お肉のご紹介

お伺いしたご用途、ご気分、お好み、重量に合わせて、ご用意可能な切り出す手前のお肉、いくつかの部位を目の前でご紹介いたします。

その際には、お肉の特長に合わせて、それぞれの部位や組み合わせた時の価格をご案内いたします。ご予算もお肉を絞る一つの要素となりますので、具体的に教えていただけると助かります。重量に関しましても、数字だけでは分かりづらいかと思いますので、実際にお肉のボリューム感も合わせてご確認いただきます。
一つの部位に絞るのではなく、幾つかの部位を取り混ぜさせていただく事をオススメしております。食感や味わいが変わる事によって、食事の最後まで心地よくお楽しみいただけるのではと考えております。

ご贈答用の場合、先方様が最も喜ばれる商品をご用意する為、先方様のお好みやご用途等を一緒に考えさせていただきます。


3. お肉の切り出し

 

お客様の目の前で、お肉を切り出し、ご用意いたします。それぞれの厚みやカット面の大きさなどについて、好みのお伺いや部位ごとのオススメをお伝えし、スライスもしくはカットを行います。その様子を見ていただきながら、作業の途中であっても、霜降り具合や重量等、気になる事があれば、お声掛けください。


4. お会計

仕上がりました商品をご確認いただき、お会計へとお進みいただきます。領収書等が必要であれば、お伝えください。尚、大変恐縮ではございますが、お支払いは現金のみのお取り扱いとさせて頂いております。


5. お包み
(ご自宅用、ご贈答用、保冷剤など)

 

お持ち歩きのお時間によっては、保冷剤や保冷箱(有料)をご用意させていただきます。こちらからも、お伺いをするようにしておりますが、特に必要な場合は、先にお伝えいただければと存じます。


6. 調理方法のご案内

その日お買い物いただきました商品を、より楽しく、お好みの状態で、おいしく召し上がっていただけるよう、必要に応じて、内容がわかるメモや調理方法の簡単なアドバイス等をさせていただく場合がございます。

ただし、この点に関しましては、調理法を押し付けるような事、また、お肉に対して難しく考えてしまわれる事の無いよう細心の注意を心がけております。敢えて強くは、お伝えしない事もございます。スタッフ、特に青い服を着たスタッフは、お肉の調理に対してお伝えした事が沢山あり、実は、伝えたくてウズウズしております(!)。お気軽にお尋ねいただければ幸いです。


7. お召し上がり

 

たのしくお召し上がりください!

 


いかがでしょうか?

 

お店に入った瞬間から、お肉を食べ終える瞬間までをご満足いただきたい。ご満足に浸っていただく事が「お肉はおいしい」に繋がると考えております。
ぜひ一度、京都 中勢以にお越しいただければと存じます。

 

今回は、簡単な流れのみです。それぞれの詳細を、また別のコラムでお話したいと思います。

京都 中勢以の使い方 1

 

ショーケースのないお肉屋さん

京都中勢以外観

 

京都 中勢以を訪れた瞬間、一見、どの様にお肉を購入すれば良いかわからない方も少なくないと思います。

 

そこで本コラムより数回に渡り、なぜ、そのようなお店にしたのか、そして、そのようなお店をどのように使っていただきたいか、お話したいと思います。

今回の京都 中勢以フルリニューアルでは、日本の肉屋として、京都 中勢以が伝えたい事を、伝えられる店づくりができるよう店舗やWebpage等を新たにデザインしました。(注1)

 

京都 中勢以が伝えたい事は、農家さんや牛、肉屋や肉の事等いろいろありますが、最も伝えたい事の1つは「お肉はおいしい」という事です。

私たちは、お肉の買い手であり、作り手であり、そして、売り手です。それぞれの立場において、おいしいお肉とは何かを考え、おいしいお肉をつくる仕事しなければならないと考えています。

 

Webpageの設計では、様々な言葉を加え、より微細に渡って伝えたい事を調和させ、文章として散りばめました。また、視覚からより素直に伝わるよう写真やその配置で表現しています。

 

店舗の設計では、売り手として、その肉のおいしさを押し付ける事なく素直に感じていただけるような設計を心がけました。(注2)

 

お肉と一言で言っても、牛や豚の個体、部位、熟成具合、そして、カットの方法により、それぞれ味が異なります。また、お客様の好み、調理方法、そして召し上がられるシチュエーション等により、求められるお肉もそれぞれ異なります。そのような、多様なお肉とお客様の引き合わせこそが、京都 中勢以が肉屋として「お肉はおいしい」と感じていただく為に最も大切な仕事である、という考えから、お一人お一人のその時その時に合ったお肉をご用意できるよう、お客様との対話を最も大切にした店舗をつくりました。

 

結果として、対話の物理的そして精神的な壁となるショーケースは排除し、お客様との間には、作業を行うための腰の高さ程度のカウンターのみが存在します。

 

そんな、カウンターだけのお店でどのようにお買い物をするか。次回は、具体的なお買い物の流れをお話したいと思います。

 


 

注1.ここで、「店づくりをした」と言い切らないのは、店をつくるのは、瞬間のデザインだけでなく、そこで仕事をする店員、お買い物をされるお客様、そして、流れる時間、それらによって店はつくられていくと考えているからです。

 

注2.買い手、つくり手についてもコラムの中でお話したいと思います。